約 3,367,712 件
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魔撃力=攻撃力 魔御力=防御力 魔神力=精神力 魔捷性=敏捷性 名前 解説 上昇値 値段 装備可能キャラ 入手方法 波動ブラスト 波動を生成し衝撃を与える魔術 魔撃:20 200 リ、ブ 店:どこでも 波動ブラスト・真改 波動を生成し衝撃を与える魔術 魔撃:40 700 リ、ブ 店:どこでも ホーリーランタン 光の攻撃魔術 魔撃:20 700 カ 店:どこでも ナイト・オブ・ソード 騎士のみが扱える件 魔撃:55 1000 ラ 店:どこでも ブラッドオブエッジ 騎士のみが扱える件 魔撃:100 2500 ラ 店:どこでも バースト 爆風を巻き起こす 魔撃:80 1700 リ、ブ 店:オアシスシティ以降 希望のランタン 光の攻撃魔術 魔撃:35 1300 カ 店:雪の街以降 ラストブレイド 騎士のみが扱える件 魔撃:300 10000 ラ 店:雪の街以降 カタストロフィ 大崩壊を巻き起こす 魔撃:140 8000 リ、ブ 店:雪の街以降 グランドセイバー 水の槍でつらぬく 魔撃:250 12121 リ、ブ 店:エキストラダンジョン グランドアーサー 騎士のみが扱える件 魔撃:500 34343 ラ 店:エキストラダンジョン マザーのランタン 光の攻撃魔術 魔撃:200/魔神:200 23232 カ Ev:運命のMEGAMI戦で自動的に装備 名前 コメント
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前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「なぁ僕の使い魔を連れてっていいかい?」 ギーシュの質問に、当麻とルイズは互いの視線を向けあった。 そういえばギーシュの使い魔って見たことがないな、と両者は思いながらもルイズが応え、当麻が質問をする。 「えぇ、使い魔なんだし別に構わないよ」 「てか使い魔持ってたのか?」 当麻の一言に、ギーシュはムッとなる。 「失礼な、そもそも召喚出来なければ進級出来ないんだぞ」 そういわれても俺わからんからなー、と両手を後頭部に持って行き口笛を吹き始める。 「……君はそんなに僕を挑発したいのかい?」 ギーシュのこめかみがひくひくと動いてる。べっつにー、と当麻は視線を逸らし、ギーシュの事など興味なさそうに振る舞う。 ブチッ、と何かがちぎれる音が聞こえると、ギーシュは当麻へと薔薇の杖を振り回した。 「き、貴様! 決闘だ! 許さんぞぉぉおおお!」 だからそんなフラグは聞いた事ありませんし立てた覚えもありませーん、と当麻はすたさらこっさと逃げ始めた。 これではいつまでたっても終わらない。ルイズはため息を吐くと、さっさと話を進めようとした。 「で、その使い魔はどこにいるの?」 「ここさ」 当麻を追いかけながら、地面を指差す。しかし、もちろんそこにはいない。 「そう言われてもいないじゃない」 ルイズは再びため息を吐く。なんというか本当に大丈夫なのか、と少し心配してしまう。 そんなルイズの様子に、ギーシュは不適な笑みを浮かべながらも、地面を足で叩いた。すると、モコモコと地面が盛り上がり、茶色の大きな生き物が顔をだした。 先程まで怒り狂った様子から一変、ギーシュは愛くるしい顔をとりながら、その生き物を抱きしめる。 「ヴェルダンデ! 僕の可愛いヴェルダンデ!」 すりすりと頬を、その生き物の頬につける。当麻とルイズは、その光景にただ呆然と見つめている。 「いや、それ何ですか一体」 「それ扱いして困る。大いに困る。僕の可愛い使い魔のヴェルダンデだ」 「あんたの使い魔ってジャイアントモールだったの?」 ギーシュはルイズの質問を無視して、使い魔に語り続ける。沈黙は肯定というから、おそらくそうなのであろう。 小さな熊ほどある巨大モグラ、それがギーシュの使い魔であった。 「ギーシュってあんな奴なのか?」 当麻は半ば呆れている。こんな奴よく二股できたなーと逆に感心したぐらいだ。 ルイズもこめかみを指でかきながら、 「さ、さぁ……私もわからないわ」 その時、巨大モグラが鼻をひくつかせた。くんくん、とギーシュの元から離れて、ルイズへと近寄る。 「な、何? や、ちょっと!」 主人に似てんなー、と当麻は言いながらも、巨大モグラの行動を見守り続ける。 巨大モグラはいきなりルイズを押し倒すと、鼻で体の隅々をかぎ始めた。 犬であれば凄い可愛いのだが、今回は巨大モグラである。正直、不気味だ。 「や! ちょっとどこ触ってるの!」 ルイズはさすがに殴り付けるわけにもいかず、顔を真っ赤に染めながらただ逃げようとする。 その際、青少年にとってちょっと刺激だなーと思わせる箇所当麻は見えてしまい、さっと視線を外すが、ルイズは気にかける余裕がない。 「いやぁ、なるほど。動物触れ合いイベントでルイズの好感度アップ&一枚絵突入狙いですか」 「お、いいこと言うな」 当麻とギーシュは戦友が戦場で再開するように、がしっと腕を組み、頷きあう。一瞬で意気投合した二人である。 「何意味不明な事言ってるのよ! さっさと助けなさいよ!」 その言葉に反応したのか、瞬、と一陣の風が舞い上がり、ルイズに抱き着いてたモグラが吹き飛ばされた。 「誰だッ!」 あ~れ~と言いそうに飛んでいる自分の使い魔を見ながら、ギーシュは薔薇の杖を構え、怒鳴った。 朝もやの中から、一人の長身の貴族が現れた。羽帽子を被っており、凛々しい姿での登場にギーシュはややたじろぐ。 (あれ、そういえばこいつ) 当麻には見覚えがあった。確かアンリエッタがここに来る際―――― 「貴様、僕のヴェルダンデに何をするんだ!」 それでもプライドがある。ギーシュはいつでも攻撃をする態勢をとっている。 すると、羽帽子の貴族が突如両手をあげた。敵意がないという証拠である。 「僕は敵じゃない。姫殿下よりきみたちに同行することを命じられてね。お忍びの任務であるため僕個人が指名されたわけだ」 友好的な口調で帽子を取り、一礼をした後、手を差し延べる。 「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」 文句を後一歩の所で吐き出そうとしていたギーシュは、相手のランクを知ってすぐにそれを入れ込んだ。そして、やや不機嫌そうに手を握る。 ワルドはそんなギーシュの様子を見て、首を振った。 「すまない。いくらモグラであろうと婚約者がモグラに襲われているのを見て見ぬ振りは出来なくてね」 「婚約者?」 当麻は思わず口を出してしまった。 「全く……魔法衛士隊の幻獣は化け物か」 「それ、ここでも使われるんだな」 二人ともぐったりと馬に体を預けていた。既に半日以上走りっぱなしで、既に二回も馬を変えている彼らの負担は計り知れない。 ちらっと、当麻は前方の二人を見た。すると、タイミングよくルイズもこちらを向いて来て、二人の目が合った。といっても、ルイズはすぐに視線をワルドの方に戻した為一瞬であったが…… (つーか平気なのかよ) 貴族であるギーシュでさえも既にへばっているというのに、ルイズとワルドはのんびりと話続けている。 しかし、何やらルイズはそんなに楽しくなさそうだと、当麻は感じた。 アンリエッタと話した時の顔を覚えているからこそ、当麻は不思議に感じる。婚約者なのだからもっと喜んでもおかしくはないのだが。 当麻は再びギーシュへと視線を向ける。話しててわかったがこいつはいい奴だ。それが当麻の導いた答えである。 そのギーシュがこちらを見てニヤニヤと笑っている。 「ぷ、ぷぷ。もしかして、きみやきもちを焼いているのかい?」 「……はい?」 当麻はテンションを上げる気もせず、だらけながらもとりあえず会話を成立させようとした。 「だって今前見てたでしょ。二人の様子が気になったんだろ? 悪い事は言わないよ。適わぬ恋を抱いても不幸の元さ」 「あーお前勘違いしてるって」 当麻は一回深くため息を吐いた。 「ただ主人公になれなかった奴の気持ちがちょっとわかっただけさ」 ギーシュはその言葉の意味がわからない様子であったが、当麻はそれ以降視線を外に向けた。 アウレオルス=イザード、そしてステイル・マグヌス。 当麻は知っている。たった一人のヒロインを救おうと主人公になろうとしたが、失敗してしまった人達を。たった一つの主人公というポジションを獲得出来なかった人達の事を。 一人は険悪ながらも当麻と共に戦ったりした。一人は敵対し、命を賭けた戦いにまで発展した。 自分にはわからなかった。勝ち組であるが故に、負け組の気持ちがわからなかった。 だけど今、本当に少しだけだがわかったかもしれない。 ルイズを守る主人公は、彼である気がした。この世界の住人でない当麻が、この世界の主人公にはなってはいけない気がした。 それは不思議と受け入れられた。同じ世界ではない、というのが大きかったかもしれない。 当麻は悩む。 それでも、それでもルイズは言った。 使い魔は主を守らなければならない、と。 たとえ主人公にならないというのがわかっても、あのステイル・マグヌスのように、一人の女の子を守り続ける事が出来るのだろうか? この幻想殺し一本でそれが出来るのだろうか? 答えは出てこなかった。肯定する確固たる理由が浮かばなかったから…… 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
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前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「えーと、今からやらなきゃダメなの?」 「「ダメ(なの)!!」」 時刻は既に夜の時間、今日の満月はいつも通り二つ。 地球のそれより倍の大きさを持つ為、辺りは街灯がなくともそれなりに明るい。 その中で、当麻はキュルケとルイズの二人から襟を引っ張られていた。 二人は相当怒っているようで、当麻のさりげない質問にも必要以上に大きな声で返してくる。 どうしてまたこんな目に……、と泣きながら呟いていると、 「これが世の定め」 と短くタバサが答えを纏めてくれた。 さて何故このようになったのだろうか? 二人が帰ってきて、当麻が腰に手当て、イタタタタタ、と老人っぽく呻いていた時であった。 突如タバサとキュルケが乱入、普段は静かであろうルイズの部屋(正し、当麻が叱られたあの日は別)が、ちょっとした騒動へと変わる。 当麻は、寝床『ニワトリの巣』(命名ルイズ)からのんびりと二人の口論を聞いていた。 いや、その内容は当麻に関する事だとわかっているのだが、どうにも入れそうな空気ではなかった。 だから、当麻は隣で読書に夢中なタバサに二、三会話をしていると…… 「じゃあトウマに決めてもらいましょうか?」 「えぇ、いいわよ」 「え? 俺ですか?」 まさかここで振られて来るとは思わず、当麻はなんて答えるべきか悩む。 「そうよ、あんたでモメてるんだから」 ルイズとキュルケがグッ、とこちらへと視線を向けて……否、ルイズにいたっては睨んでいる。 さて、と当麻は悩む。 (うーん……、どっちを選んでも不幸だよなやっぱり) どちらを選ぶというよりも、不幸か幸かで選ぶ当麻は、何処までも鈍い奴である。 「どっち?」 いつの間にかキュルケも睨んでいる。悩みに悩んだ当麻が出した結論は…… 「まだフラグの量が少ないのでどっちも選べないなー、テヘッ、でどうですフゴロペッ!?」 言い切る前に、二人は上条のお腹の真ん中に、手加減無しの蹴りを突き刺した。ズボ!! というこの世界で間違いなくとんでもない音と共に、当麻の体がくの字に折れ曲がった。 「ごふっ。し、質問に答えただけなのに……何でこんな不幸な目に」 「自業自得」 タバサの答えに頷く二人。 その後、キュルケが魔法の決闘を提案し、ルイズがそれに了承したのだ。 嫌々している当麻を無理矢理引っ張り続けて数分。 決闘の地――本塔の中庭へとたどり着くまさにその時だった。 轟! という凄まじいな音が辺り一面鳴り響いた。 四人は一瞬何が起きたのかわからず、呆然と立ち尽くした。 が、タバサと当麻はすぐに状況を理解し動き出す。続いてキュルケ、最後にルイズ。 中庭へとたどり着くのに十秒もかからなかった。そして、そこには巨大なゴーレムが、本塔の外壁を破壊している姿があった。 「またゴーレムかよ! つーかでけぇだろおい!」 「多分トライアングルクラスのメイジね、でもおかしいわね。あそこの『固定化』の魔法なら防げるはずなのに……」 ルイズが呟いている間にも、タバサとキュルケはシルフィードに跨がり、魔法を放つ準備に入る。 そんな中、当麻はあー……、と呟いた。 確か初日、まだ『固定化』という魔法を知らなかった時、あそこに触ったような……気がしないでもない。 ていうか昨日も触っちゃったような…… 「………………………………………………」 出したくもない汗が背中にびっしょりとつく。 いやわかってる。あんな事をしてるのはもちろん盗っ人とかのたぐいってのも。 「ルイズ」 「な、何よ」 「援護頼むわ」 覚悟を決めたのか、当麻は走り出す。例え相手がどれだけでかいだろうと、その右手がある限り。 フーケは油断していた。『固定化』の魔法がなぜかかかっていなかった為、余裕で突入出来る状態にしたはいいが、予想外のお客さんが現れたのだ。 尤も、『固定化』の魔法を解除したのも、『剣』を破壊した為その話題が省られて早めに来たのも同じ少年のせいであるが…… それでもフーケには自信があった。相手は学生、このゴーレムに任せれば十分であると。 フーケはゴーレムから離れ、宝物庫へと入って行った。 「うぉぉぉおおおお!」 当麻は駆ける。イマイチ把握出来ないが、とにかく敵を倒す為に。 向こうはこちらの特性を知らない、だからゴーレム一匹で対処出来ると踏んだのだろう。 実際、空からタバサとキュルケが火と風を唱えようと、ルイズが失敗した魔法(小さな爆発)を与えようとビクともしない。 そして、当麻を第一殺害対象と見たのか視線が向けられる。 怖い。それが率直な感想だ。 (でもよ……) 己が唯一の武器、拳を握り締める。 (こっちはこれ以上の敵と戦ってきたんだ――!) ゴーレムの拳が振り下ろされる。自分の十何倍も大きい手が襲い掛かる。 それでも当麻は前に進む。周りから制止の声がかけられるが気にしない。 「ぉぉぉぉぉぉおおおおおおッ!」 当麻は叫ぶ。何十倍大きいゴーレムに立ち向かう武器(拳)を突き出す。 拳と拳がぶつかり合った。 本来ならばどう考えても当麻に勝ち目のない勝負。 もちろんキュルケもルイズも目をつむる、タバサだけが表情を変える事なく見つめている。 拳と拳が交えた音がしない。ビキッ、と何かに亀裂が入ったような音がした。そう、ギーシュの時と同じように。 ルイズとキュルケが目を開くと、ゴーレムに打ち勝った当麻の姿がいた。 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
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前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「そ、そうですな! 美人はただそれだけで、いけない魔法使いですな!」 「そのとおりじゃ! 君はうまい事を言うな! コルベール君!」 当麻とルイズ、キュルケにタバサの四人は呆れて、そんな二人の様子を見ていた。 四人はフーケを捕まえた後、学園長室へと向かい、この事実を報告した。そして、オスマン氏はその場にいたコルベールと、フーケもといミスロングビルについて話したのだ。 それがもうなんともくだらない理由で、命を賭けて戦ってきた相手によくそんな話が出来ると四人は実感した。 と、ようやくオスマン氏は四人の鋭い視線に気付いたのか、照れ笑いを隠すかのように咳ばらいをした後、本題に入るため真剣な表情へと変える。 「さてと、君達はかの有名なフーケを捕まえた。『破壊の本』が壊れたのは残念だが……まぁ話を聞いた後となっては壊した方がよかったかもしれんな」 当麻以外の三人は、誇らしげに礼をした。 「フーケは城の衛士に引き渡した。これで一件落着だ」 オスマン氏は父親のように一人ずつ優しく頭を撫でた。 「君たちの、『シュヴァリエ』の爵位申請を、宮廷に出しておこう。追って沙汰があるじゃろう。といっても、ミス・タバサは確かすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っているから、精霊勲章の授与を申請しておこうか?」 当麻には何を話してるのかさっぱりだが、三人が喜んでいる限りきっと素晴らしいことだろうな、と距離を置いて眺めていた。 「本当ですか?」 キュルケが、驚いた声で言った。 「ほんとじゃ、いいのじゃ、君達はそれぐらいの事をしたのじゃから」 ルイズはそこで気付く。ちらっと当麻を見ると、肩や腕、足に右手と至る所に包帯がしてある。 今回の戦いの主役は当麻である。ゴーレムを倒したのも、『破壊の杖』も壊したのも、そしてフーケを倒したのも全部。 そして誰よりも傷を負った。当麻の幻想殺しのせいで魔法の治療は出来ない。だからああやって自然治癒力に頼るしかない。 胸がギュッ、と苦しめられるような気分に陥ったルイズは、何か当麻にも褒美を与えるべきだと思った。 「あの……オールド・オスマン。トウマには何もないのですか?」 「残念ながら……彼は貴族ではない」 「でもっ!」 ルイズの意見を一蹴するオスマン氏。それでも尚、食らいつこうとするルイズに、当麻は肩に手をやった。 「俺の分は大丈夫だから気にすんな」 「でも! 当麻が一番頑張ったじゃない! なのに何もないなんて!」 「俺は別に何かを貰いたいから頑張ったんじゃねぇよ」 当麻は小さく笑った。 「それに、主様のご褒美は使い魔のご褒美でもあります。わたくし上条当麻はお喜びでありますよ?」 ルイズは言葉に詰まる。本当に当麻はそう思っているのだと、素直に感じてしまうからだ。 オスマン氏はそんな二人のやり取りを見つめながら、ポンポンと手を打った。 「さてと、明日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。これなら予定通り執り行えるだろう」 キュルケの顔が再び輝く。 「そうでしたわ! すっかり忘れておりました!」 「明日の主役は君たちじゃ、早く戻ってゆっくりと休みたまえ」 三人は礼をすると、ドアに向かった。 ルイズは立ち止まったままの当麻に目をやる。当麻は視線に気付いたのか、 「先に行っててくれ」 と、伝える。ルイズは何か言おうとしたが、頷いてそのまま立ち去った。 オスマン氏は当麻に向き合った。 「何か用があるのじゃろう?」 当麻は頷く。 「何でも聞きたまえ。出来るだけ力になろう。と、その前に……」 オスマン氏は当麻に向かって頭を下げた。 「そのような傷を負ってまで、フーケを捕まえた事にホントに感謝してる。爵位は授けられぬが、こんな老人の頭で許してはくれぬか」 コルベールも同じように頭を下げる。突然の事態に当麻は驚きながらもこたえる。 「あーいえ、ホント大丈夫ですから。これじゃあ本題に入りにくいので……」 と、苦笑いを浮かべながらも当麻は髪の毛をかく。すると、オスマン氏はコルベールに退室を促した。内心当麻の話にわくわくしていた為、誰にでもわかるように落ち込みながら、しぶしぶ部屋を出て行った。 そこで当麻はようやく本題に入る。 「あの『破壊の本』は、こちらの世界のものではないですよね?」 オスマン氏の目が光る。 「こちらとは?」 「こちらの本に無詠唱で呪文が発動、かつ防御魔法が自動で発動するのは存在しないと、習いましたから」 「ではあの本はなんだと思うのじゃ?」 オスマン氏の質問に、当麻は一拍置き、別方向からこたえる。 「俺はここの人間じゃありません」 「本当かね?」 「はい。ルイズの『召喚』で、こっちの世界に呼ばれたと思います」 「ふむ……」 オスマン氏は目を細めた。 「そしてあの『破壊の本』は、恐らく魔導書、こちらの世界の武器です。つまり誰かが俺と同じように来た、という事になる。誰か知っていますか?」 オスマン氏は、ため息をついた。 「あれを私にくれたのは、私の命の恩人じゃ」 「その人は……今何処に?」 「消えてしまった。今から三十年も昔の話じゃ」 「……消えた?」 「三十年前、森を散策していた私は、ワイバーンに襲われた。そこを救ってくれたのがその人じゃ。彼は魔術を使ってワイバーンを吹き飛ばした後、その本を貰ったのじゃ。そして去ってしまった。しかし……」 「しかし?」 オスマン氏は話を続ける。 「その人は言っていた。『この本を開いてはならない。来るべき時に誰かによって使われるが、それはその時の為だ』と」 「それがフーケ……?」 「わからん。今となっては何もわからん」 「そう、ですか」 当麻は嘆いた。せっかく手に入れた手掛かりが無駄になっていく。その人だって死んでるかもしれないし、生きてたとしても何処にいるのかわからない。 どうしよう出来ない自分にため息をつく。 「すまんの。ただ、私はおぬしの味方じゃ。これだけは信じてくれ」 オスマン氏は再び当麻に向かって頭を下げた。 「恩人の本が悪用されるのを阻止くれた。これは私個人での礼じゃ」 「ありがとうございます」 当麻は素直にそう言った。そうした方がいいかな、と思ったからだ。 「おぬしがどういう理屈でこっちの世界にやってきたのか、私なりに調べるつもりじゃ。でも……」 「でも?」 「何もわからなくても、恨まんでくれよ。なあに。こっちの世界も住めば都じゃ。嫁さんだって探してやる。 当麻はさすがにこれには戸惑いを覚えた。なんというか、本当になりそうな気がしたからだ。 その次の日の夜、舞踏会は食堂の上の階で行われた。当麻は一人バルコニーの枠にもたれ、のんびりと過ごしていた。 当麻のすぐ傍には、シエスタが持ってきてくれた肉料理と水。 先程まではキュルケと話していたが、パーティが始まった瞬間、中に入ってしまった。 後で踊りましょと言われたが、今では沢山の男たちに囲まれている。ありゃ無理だな、と当麻は素直に思い、今度はタバサに目をやる。 黒いパーテイドレスに身を包んだタバサは、一生懸命にテーブルの上の料理と格闘している。 あいつ大食いかよ……、と腹ぺこシスターの存在を思い出しながら当麻は肉をかじった。 と、ホールの壮麗な扉が開き、ルイズが姿を現した。 門に控えた呼び出しの衛士がルイズの到着を告げた。 当麻は気にせず再び食モードに入る。せっかくの機会だ。食べるだけ食べよう。 「どう? パーテイは」 当麻は聞き覚えのある声に、視線を前に移す。そこには白いパーテイドレスに身を包んだルイズがいた。 ほとんどの男たちはその美貌に驚くのだが…… 普段から美少女美人たちと仲がよい当麻は普段通り接する事が出来てしまう。 「まぁ、料理がうまいからそこそこ。てか踊らないのか?」 ルイズの向こう、中央のホールでは、音楽が奏で始め、貴族たちが優雅にダンスを踊り始めている。 当麻の質問にルイズは手を黙って手を指し伸べた。 「えぇと、これは?」 「踊ってあげても、よくってよ」 目を逸らし、ルイズはちょっと照れたように言った。 (こ、これはーこれはー!?) 遂にルイズルート、ハッピーエンドかー、と当麻は喜ぶ。 (いや、落ち着け、最後まで気を抜くな。不幸が待ち構えているぞ!) 「構わないが……俺踊れないぞ?」 言いながら、差し伸べた手を掴む。 「大丈夫、私に合わせればいいから」 二人は並んで、ホールへと向かった。 二人は軽く手を握り、当麻はルイズに出来るかぎり合わせるようにした。右手と肩と腕と足が痛かったが、まぁ普段の入院レベルと比べればマシだ、と言い聞かせる。 ルイズはそんな当麻の為を思ってかゆっくりとステップを踏み始める。 「ねぇ、トウマ、信じてあげるわ」 「何をだ?」 「……あんたが別の世界から来たって事」 ルイズは踊りながらもそう呟いた。 「あぁ……、何でだ?」 「あの『破壊の本』を見たらそう思っちゃうじゃない」 まぁ確かになー、と答える当麻にルイズは少し俯いた。 「ねえ、帰りたい?」 「まぁな。出来る事なら今すぐに帰りたいけど、どうしようもないもんな」 そうよね……、と呟くと、二人はしばらく無言で踊り始めた。 あ、これ慣れると面白いな。とちょっとダンスの楽しさがわかってきた当麻。一方のルイズは頬を少しばかし紅潮に染め、当麻の顔から目を逸らす。 「どした?」 当麻が不思議に思って聞くと、ルイズの顔がさらに赤くなった。 「あ……、その……あ、ぁりがとぅ」 小さく、当麻にしか聞こえないぐらい小さく呟いた。突然の展開に思わず「へ?」と聞いてしまった。 「その……フーケの時助けてくれたじゃない。だから……」 (あれ、もしかしてこれ不幸なし?) 当麻はオチ無しのこの状況に喜びを噛み締める。 「気にすんな、それを言ったらお前の魔法がなかったら終わりだったろ?」 「……ねぇ?」 ルイズは再び質問する。最後にどうしても答えて欲しいから。 「何でそこまでボロボロになってまで頑張ったの?」 うん? と、当麻は一度だけルイズの言葉を確かめて、それから答えた。 「自分のためだよ」 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
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前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 「「幻想殺し(イマジンブレイカー)?」」 二人の女性の声――シエスタとルイズの声がシンクロする。 「そういう事です。異能の力なら例えどんな事でも打ち消しちゃう右手なのです」 その持ち主、当麻が補足として加えた。あの後ギーシュは当麻に対して降伏し、決闘は誰しもが予想出来なかった結果にへと終った。 その為、当麻の知名度は『ルイズの使い魔の平民』から『メイジを倒した使い魔の平民』へとランクが上がった。 また、あの広場でのルイズに関する発言もあってか、ルイズに向かって馬鹿にする声がかなり減った。恐らく、ギーシュのようになりたくないという思いからであろう。 そして授業が終った後、部屋へと戻った二人は、先のとある騒動の一因であったシエスタを迎えて、先のギーシュのゴーレムをどのようにして倒したかを当麻は説明したのであった。 二人はあまりの事に驚きを隠せなかったが、本人がそう言うのだから、と思って無理に納得する。と、ルイズはある事に気付く。 「待って、つまり右手で触らなかったら意味がないのよね?」 「そ、その辺がこの能力の欠点もあるんだよね」 「じゃあアンタはそれだけを頼りに決闘を挑んだの!?」 突然のお怒りのルイズに、当麻は面を食らったように目をパチパチさせ、 「え……なんかおかしい?」 と、あくまで素の疑問を浮かべた当麻。ビキィ! とルイズのこめかみから変な音がした。 「あ、当たり前じゃないの! 今回はたまたまよかったけどもしかしたら大怪我を負ったのかもしれないのよ!?」 「いやまぁその辺は上条当麻様の緻密でかつ完璧なる作戦通りの展開を行った結果がこうであり、……気にしなくてもいいんじゃね?」 「気にするわよ! アンタは私の使い魔なんだから!」 うがー、と下手したら襲い掛かってくるルイズを半ば流すようにして、先程から俯いているシエスタに話し掛ける。 「ん? シエスタ大丈夫か?」 「すみません……」 小さく泣きそうな声にルイズと当麻は耳を傾ける。 「私があの時香水を拾わなければよかったのですよね……ミス・ヴァリエール、トウマさんを怒らないで下さい。私のせいです……」 「あ、いや別に……」 どう返事をしたらいいか言葉に詰まったルイズに、当麻はため息を吐いた。 「あー気にするなって、ていうかシエスタは何も悪い事してねぇだろ? それなのに悪者扱いされる方がおかしいっての」 「でも……」 「だー! でももへちまもかかしも何でもないっての! いい事をしたの、学園長さんから表彰されちゃったよ、ラッキー、みたいないい事をしたの!」 「はい……」 「あーもう何ですかそのラストのラストでバッドエンドへいってしまったような落ち込み具合は! こっちまで悲しくなっちゃいますよ」 「トウマ、あんた言ってる意味がわからないよ」 なぬ!? はっ、ここは日本文化(オタク)ではないのかー! と二人には理解出来ない単語を発してる当麻に、シエスタは笑みを取り戻す。 「はい、そうですよね。トウマさん! ありがとうございました!」 「お、おう。というか感謝されちゃったって事はなんか不幸フラグが立てられたようなー!?」 何か起きるのではないかと危惧してる当麻に、ルイズはあ、そうだ。と思いだし、洗濯物を渡した。 ギーシュとの決闘からはや一週間が経ったとある日。 当麻はいつも通り(といっても一週間しか経っていないが)の朝を迎えた。床という最低ランクから、シエスタから貰った藁を敷いてのグレードアップを果たした当麻の寝心地は悪くない。 まぁ、彼にはとある日からの『思い出』の記憶がないのだが、硬い岩場で寝たという『感覚』を持っているので、むしろ全く苦ではなかった。 普段から当麻は学校へ早めに登校していた為、ルイズより先に起きるのはごくごく自然な事である。 軽く欠伸をして、体を覚醒させようとストレッチをした後、ネグリジェ姿でスゥスゥという、小さな吐息を立てて寝ているルイズを起こす。 当麻はここに来る前に同じような経験を毎日体験していたのだが、やはり慣れるものではない。が、これは不幸ではないのでオールOKと自分に言い聞かせる。 起こされたルイズは下着をつけ、制服を当麻に着さしてもらう。これもやはり慣れようがない。が、これもまた不幸ではないのでオールOKと自分に言い聞かせる。 その後、ルイズは朝食を食べに、当麻はルイズの洗濯物を洗う事になっている。もちろん洗濯機がないこのご時世、普通の人間なら手洗いなどしないのだが、 当麻は違った。 どういった『思い出』があったかはわからない(大方不幸の一環だろうと理解はしているが……)。しかし、これまたどのように手洗いをすべきか『知識』は得ているので、これまた苦ではならない。 くどいかもしれないが、これも女性の下着を洗う事に抵抗感はあるが、これまた不幸ではないのでオールOKと自分に言い聞かせてる。 そう、つまるところ普通に使い魔として仕事をしているのだ。この時、当麻は今までの『不幸な体験』が役立ったなーと純粋に思えた。 働かざる者食うべからず、一生懸命朝から働く当麻は、平民用の朝食では圧倒的足りなかった。また、ルイズから朝食を貰おうにも朝は時間の都合上あわない。 その為、どうしよかなーと悩みを抱えていたが、それはすぐに解決された。 どうやら、ギーシュの決闘のおかげで厨房で働いている平民から大人気を得たのだ。やはりと言うべきか、彼らも貴族に対して不満はあったらしく、スカッとしたらしい。なのでよく訪れてはご飯を貰ったりする。 その中にシエスタが作った手料理もあるが、特に気にせず当麻は食べっちゃったりする。 とまぁ厨房で本当の朝食を食べた後、当麻は授業中のルイズと合流し、お供を努める。が、補習万歳の当麻にとっては何を言っているのかさっぱりである。 時々隣にいるルイズに質問する事もあれば、簡単な昼寝をしたり、ペン回しに走ったりもする。 それが当麻の日常であった。 しかしながら、肝心の元の世界に戻る方法は見つからない。手掛かりの「て」の文字すら見つからない当麻は、内心どうやったら戻るんだーと泣いちゃったり。 尤も当麻の不幸はこんな程度では済まされない。 それは当麻の一日を紹介した今日の夜に起きた。 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
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クラスが魔術師、錬金術師のキャラクターは魔術を習得することができます。 その魔術関係のことを少し解説したいと思います。 魔力 魔力とは、魔術の強さ、威力に影響するものです。 魔力の値はクラスレベルと基礎魔力の合計値となります 魔力=クラスレベル+基礎魔力値 人間である限り、基礎魔力値は0です。 ではどうやって魔力値を増やしていくのか。 STRと引き換えに魔力を上げる STRを永久に1払うことで基礎魔力値は、+2されます。 ※ただしSTRを1にすることはできない 生贄を捧げる 生贄を捧げることによって魔力を一時的に上昇させることができます。 何を捧げるかで上昇値もかわります。 生贄 上昇値 期間 必要な時間 動物 1 1週間 1時間 人類 2 1ヶ月 12時間 人類(処女) 3 1ヶ月 12時間 魔術師、錬金術師 3 1ヶ月 12時間 焦点具を使用する 魔術師や錬金術師は基本的に焦点具を持っています。 この焦点具をもっているだけで魔力は上昇するのです。 どの程度魔力が増えるかは焦点具の素材によります。 魔術習得値 魔術習得値とは魔術を習得するために必要なものです。 1レベルの魔術を覚えるなら1、2レベルの魔術を覚えるなら2というふうに 魔術習得値を使用します。 魔術習得値は、INTの値でもらえる量が変わります。 魔術習得値=INT×クラスレベル の数だけもらえます。 魔術スロット 魔術師、錬金術師は普段、魔術書に魔術が記されていますが、 使うためにはスロットに組み込む必要があります。 1日に使える魔術分がスロットになるのです。 魔術スロット=(INT+10)×クラスレベル さらに魔術は代替消費をして使いたい魔術と同じスロット分別の魔術を使用して使いたい魔術を使うことができます。 この際注意しなければならないのは、魔術スロットにその魔法がない状態では代替消費をしても使えません 魔術には属性があり、炎、氷、雷、純エネルギーがあります。 魔術についてはシェアファンを参照してください ←クリックでShared✝Fantasiaへ飛ぶ
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前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 当麻が案内されたヴェストリの広場には、風の噂を聞き付けた生徒たちで溢れかえっていた。 「ギーシュが決闘するぞ! 相手はルイズの平民だ!」 誰かが叫び、周りのテンションがどんどん熱を上げていく。 見ると、ギーシュは腕を振ってその歓声にこたえている。 チャンピオンに挑戦するチャレンジャーな気分になった当麻は、人込みを突き破り広場の真ん中に立った。 「ようやくのお出ましだね」 「あぁ、いつから始まるんだ?」 「いつでも僕は準備万端さ」 そうかよ、と当麻は呟くと、身を低く沈める。 距離は大体十数メートル、全力で駆ければ七、八歩でたどり着く。 当麻は足に全身の力を集中する。 「テメエの言った言葉、撤回さしてやるからな!!」 ドン! と爆発したかのように、ギーシュ目掛けて駆け出す。 一方のギーシュは、ただ無鉄砲に突っ込んでくる当麻を見下すように笑みを浮かべると、手にもっている薔薇の花を振った。 フワフワと、重力に引っ張られるように花びらが舞ったかと思うと―― 甲冑を着た女戦士の形をした人形へと変貌した。 「……なっ」 当麻がその姿を確認した時には、もう遅い。 女戦士の形をしたゴーレムがギーシュの代わりに突進してきた。 当麻は完璧に虚をつかれ、防御の態勢も攻撃の態勢もとれない。 それでも、咄嗟に両腕を前に出したが、敵の拳はいともたやすくかい潜り、当麻の胸を直撃した。 「がっ……、はっ……ッ!」 肺の中から全ての酸素が吐き出し、文字通り宙を舞った。 背中から地面へと着陸し、ズササササ、と土煙を起こしながらなんとか動きを止めた。 「忘れていたが……僕はメイジだから魔法で戦わして貰うよ。もちろん文句はあるまいね? それとももう終わりかい?」 ギーシュは起き上がらない当麻を見て、呆れた声で言った。すると、人込みの中からルイズが飛び出してくる。 「ギーシュ! 決闘は禁止されてるはずよ!」 「それは貴族同士、さ。平民と貴族の間での決闘はなんら問題ない」 予想外の反論にルイズは言葉に詰まる。 「そ、それはそんなこと今までなかったから……」 「気にすんな、今更とまらねえよ」 ようやく口を開いた当麻に、ルイズは安心と悲鳴が込められた声で叫ぶ。 「トウマ!」 「あんだよ?」 ふらふらと立ち上がった当麻を見て、ルイズの肩は震えだした。 「おいおい、やっぱりゼロのルイズが召喚した使い魔だな」 「あぁ、無能の主にお似合いだな」 どこからか声がしてくる。ルイズは周りを囲んでいる貴族達に向かって怒鳴った。 「何いってるの! 平民は絶対メイジに勝てないじゃない!」 「ルイズ、君は庇っているがそこの平民が好きなのかい?」 ルイズの顔が、赤く染まる。 「誰がよ! そうじゃなくて、自分の使い魔がみすみす怪我するのを黙って見ていられるわけないじゃない!」 「俺も同じだ」 当麻は必死にこの決闘を止めようとするルイズに、伝える。 「俺も自分の主が馬鹿にされたのを黙って見ていられなかっただけさ」 ルイズはきょとんとした目つきになり、その後慌てて、 「だ、だからってこんな事しなくていいのよ! 平民じゃメイジに絶対勝てな―― 「絶対、だぁ?」 当麻のこめかみに血管が浮かび上がる。 「ざけんな! 今まで何人の平民とやらがメイジに挑んだかなんて知らねえし、興味もねえよ」 当麻は叫んだ。初めて、この世界で怒りを隠さずに、告げる。 「だけどな! だからって絶対とイコールで結ばれるわけねえだろ!」 当麻は言葉を止めない。周りの貴族達もただ黙るしか他なかった。 「お前だってそうだろ! いいか、そこまでの過程なんかいらねぇ、答えてみろ!」 当麻は息を吸って、 「お前はゼロのルイズと言われて何してきたんだ!?」 ルイズの息が一瞬止まった。 「ほとんど成功しない――絶対成功しない言われ続けて来て何をしてきた! ここにいる奴ら全員見返して、ここにいる奴ら全員より強いメイジになろうと決めたんじゃねえのかよ!」 当麻の体内で熱が暴走する。 「ずっと! 努力してきたんだろ、未来の為に! まだちっと他人より長いプロローグの上を歩き続けてるんだろ! 同じだろうが! 平民がメイジに勝てない歴史が少し長いだけの話じゃねえか!」 始まる。一人の人間と世界が交差するとき、一つの物語は始まる。 「お前がまだ何かに対して絶対無理だと思ってるならな」 今までギュッ、と握ってた拳をルイズに向ける。 「まずはその幻想をぶち壊してやる! そんでもって教えてやる! お前の幻想(努力)はこれぐらいじゃ壊れないって事を!」 再び駆ける。ルイズに、そんな当麻を止める術はなかった。 残り十数メートル。 「やるだけ無駄だと思うがね」 ギーシュは再びゴーレムを突っ込ませる。誰もが同じ展開になると予想したが…… 「テメェのそれ、前と戦った奴よりよえよ」 当麻は手を差し出す。ゴーレムがそれ目掛けて拳を突き出してきた。 ルイズは恐怖のあまりぎゅっと両目を閉じる。予想される未来を現実として見たくなかったが、 何も音がしない。 いや、ピシリと何かに亀裂が走ったような音がした。 「なっ……」 ギーシュの初めてうろたえる声に、ルイズは恐る恐るまぶたを開ける。 ゴーレムの動きが止まっていた。当麻のその右手が、全てを受け止めたかのように。 ただ、それだけでゴーレムは崩れ去る。 「ったく、さっきはちょっと驚いただけだっつーの。っても十分痛かったけどな」 三度当麻は駆ける。後十メートル弱。 「うわぁぁぁあああ」 ギーシュは慌てて薔薇を振る。今度は合計六体ものゴーレムが生まれた。 そして間髪を置かずに、当麻の周りを囲みながら襲い掛かる。 マズ……と当麻は思う。それが異能の力であるなら全てを打ち消す幻想殺しを持っているが、効果範囲は右手のみ。 周りを囲まれて同時に攻撃されたら成す術がない。 しかし、だからと言って当麻は諦めない。例え一パーセントでも可能性が有る限り、縋り付くのが上条当麻だ。 ゴーレムが一斉に拳を振りかぶる。その瞬間、当麻は地面を舐めるような姿勢で、前へと飛び出す。幸運にも似たような場面に出くわした事があるからだ。 当麻の幻想殺しは右手しか有効範囲ではない。が、逆に言えば右手さえ触れば効果が発揮される。 前方のゴーレムに右手を思いっきり前に突き出す。拳が触れた瞬間、形が崩れ去り道が開かれる! 残り五メートル。が、当麻は距離を詰めようとしない。 くるっ、と後ろへと振り返り、全身をばねのように縮ませ、残りのゴーレムへと突っ込む。 一体を即座に土に戻すと、残りの四体が再び当麻を襲い掛かる。 が、最初と違う点を言うなら敵はほぼ一列、それこそ当麻の思い通りの展開。 敵の攻撃を右手で防ぎ、あるいはしゃがみ込んだりして避ける。 残りのゴーレムを倒すのに、数秒もかからなかった。 「なっ……」 ギーシュが言葉に表せない驚きを感じている間に当麻は目の前に立つ。 「歯食いしばれよ貴族」 「ひっ!」 「お前から歴史は変わるんだよ」 瞬間、ギーシュは顔を殴られた。 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
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前ページ次ページとある魔術の使い魔と主 次の日、当麻は朝の日差しを浴びて、目が覚めた。昨晩の疲れがあったせいか、いつもより多く寝てしまったらしい。 うまく働かない思考が、『この状況はまずい』と判断する。寝坊してしまったら、主から罰を受けてしまうのだ。 慌てて毛布を跳ね飛ばし、ガバッと起き上がる。ルイズのベッドの方を見るが、毛布に体全体を覆いかぶさっているためか、顔が見えない。 ともかく、まだ主は起きていないらしい。当麻は内心安堵しながらも、いつも通り起こそうとしたが……。 そこには誰もいなかった。 「あれ……?」 毛布の中に、いるはずの人間がいない。当麻を寝かせたまま、どこか外へ行くような少女ではない。 首を傾げてうーんと唸る。神隠しにあったりとか、宇宙人にさらわれたというオチはないと思う。 となると、昨日の夜に何かあったはずだ。当麻はまだ真新しいはずの記憶を掘り返す。 あ、と思わず口に出てしまった。そうだ、確かあの日の夜は―― 『どしたルイズ、寝れないのか?』 『うん……なんだか……』 『なんか様子がおかしくないか?』 『ううん、大丈夫。ねえ、トウマ?』 『ん?』 『わたし、シエスタの所へ行ってもいいかな?』 『へ……? ま、まあいいんじゃないのか』 『ありがと』 シエスタの所へ行った事を思い出した当麻は、どうするべきか悩んだ。 (まあシエスタがなんとかしてくれるだろ) しかし、思いの外早く結論にたどり着いた。 少年は全てをメイドに任せて、空かした腹を埋める為、朝食へと向かった。 (うーん……) ほぼ同時刻、同じように朝の日差しを浴びたシエスタは、意識を現実へと戻した。 しかし、昨日の疲労が拭いきれないのか目を開こうとはしない。 趣味が昼寝の彼女は、時折そうやって寝過ごす日が多々あった。 後数分……、とお決まりの言葉を自分に言い聞かせ、再び夢の中に入り込もうと寝返る。 「……すう……」 その頬に、かすかな吐息がかかる。不思議な事に甘く、いい匂いであった。 「あ、れ?」 小さいが、ここは自分のベッドである。それならば誰かが紛れ込んだのだろうか? 誰だろ、と思いながら仕方なく目を開けてみると、 ネグリジェ姿のルイズが隣に寝ていた。それも、吐息のかかるほどに近い場所で。 普段とは違う、 繊細可憐な、安らいだ寝顔がそこにはあった。 「へ……?」 予想外の人物に、しばらく呆然と見つめた。疑問と驚きが彼女の思考を妨げる。 「う、ん……」 すると、シエスタの視線に気付いたのか、目を覚ました。虚ろな瞳はしかし、何の迷いもなくシエスタを向いていた。 「…………」 「…………」 エレベーターに閉じこめられたような気まずい雰囲気が場を支配する。 耐えきれなかったのか、シエスタが口を開いた。 「えっと、おはようございます」 「おはよ」 寝た状態で、とりあえず挨拶をする。そんなシエスタに、ルイズも返事をしたが、なぜか顔を赤らめた。 また沈黙が支配されそうになったその時、ルイズは上半身だけ立ち上がる。乱れた髪がばさばさっとその肩に降りかかった。そして、恥ずかしがるように手をもじもじさせた。 つられて、シエスタも寝転んだ態勢から女の子座りへと変える。 「あのね」 「な、なんでしょうか?」 普段とは違う口調に、シエスタは僅かばかりの不安を抱いた。 シエスタとルイズは敵対関係となっているのだ。なのに今は違う。どちらかというと、仲のいい親友みたいな感じのように、正反対のイメージが持たれる。 そんなシエスタの事はお構いなしに、ルイズは自分の内なる思いを伝えた。 「あのね……わたし夢を見たの……」 「夢、ですか?」 コクリと頷いたルイズは続けた。 「シエスタとわたしが仲良く楽しく過ごしている夢」 そう言うと、ルイズは両手を使ってシエスタの手を握る。 思わぬ不意打ちに、シエスタの顔も赤く染まる。ドキッ、と心臓が跳ね上がった。 「え? え?」 「わたし、なんで自分の気持ちに気がつかなかったんだろう……」 「あの……、ルイズさん?」 「手を握るだけでこんなにもドキドキするなんて……」 言葉のやりとりがうまくいかないので、シエスタは困った。いつもと違う態度に、何事かと思ってしまう。 しかし、原因がわからない。昨日の事件は、急にルイズの機嫌がよくなった為に終わったのだか、まさかそれが理由ではないはずだ。 と、突然ルイズがこちらに飛びかかってきた。腰に両手ががっちりと回されたので、そのまま押し倒される。 「へ? へ?」 自分に覆いかぶさるルイズを見上げているシエスタは、カチコチに凍り付いている。 「えっと、あの……ええ!?」 何を言えばいいのかわからない。ルイズとシエスタの距離は、目と鼻の先であった。 「わたし……シエスタのことが好き、大好き……」 そう言うと、顔を近づける。否、顔のもっと細かい場所。そう、唇である。 ハッと気付くシエスタ。逃げようとするが、なにせルイズが馬乗りとなっているのだ。どうしようもない。 「あ、あの。ルイズさん! ちょ、ちょっと……あ……待って……ん……」 シエスタの努力も空しく、二人は唇を重ねた。 「おかしいですよね!?」 「いやまあ……、そりゃ普段とは違うよな」 シエスタが涙目になりながら必死に当麻に訴えた。 全てシエスタに任せてしまった当麻だからこそ、苦笑いを浮かべる。 時刻は昼間、当麻とシエスタは再びヴェストリの広場にいた。 あの後、トイレと偽って脱出をはかったシエスタは、当麻と再び出会う事ができた。 そして今まで起こった状況を一から、わかりやすく説明をする。 もっとも、 「うう……もうお嫁さんにいけないかも……」 どこまでやったのかはわからない。 しゅんとうなだれる。ここまで落ち込まれると、なんとかしなければならないと思えてくる。 「うーん。しかしルイズがどうしておかしくなったか、だよな」 「それについてなんですけど……」 シエスタは思い出すかのように応えた。 「心をどうにかしてしまう魔法の薬があるって聞いたことがあるんですけど、それじゃないんでしょうか?」 「魔法の薬……ねえ」 典型的な漫画等のお決まりを出された当麻は、胡散臭そうな目つきでシエスタを見る。 「わ、わたしだって噂で聞いただけですし……、でも、あったとしてもミス・ヴァリエールがそんなの飲むわけがないし……」 シエスタの顔がみるみる内に赤く染まっていく。 まあここで疑いをかけても仕方ない。とりあえず当麻はそれがある物だとして昨日の一件を思い出す。 その時だった。 シエスタの背後で、ルイズが睨みつけていた。その目はまるで獲物を逃がさないようにぎらりと光り輝いている。 タチサラナイトコロス そう言っているような気がした。 「……あ、と。ちょい用事があったから行くな。何かわかったらすぐ連絡すっから」 「え? あ、はい……わかりましたー」 命の危険を感じた弱者は、強者の言うことを聞かなければならない。当麻は成す術なくシエスタから離れた。 直後、シエスタの悲鳴が聞こえたような気がした。 前ページ次ページとある魔術の使い魔と主
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魔術の説明 種類について 攻撃、防御、補助などの基本的なものから 呪術や召喚術のような特殊な魔術まで、種類は幅広く細分化されている。 まだ見ぬ特別な魔術なんかもあったりするのかも。 召喚術について 幻獣や精霊、はては武器や霧など、さまざまなものを召喚する。 召喚方法は様々だが、召喚陣を描いての召喚と、呪文の詠唱による召喚が主である。 中には召喚獣の一部のみを呼び出したりする者もいる。 契約方法も人や召喚したものによって違ったりする。
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【1月】 1位 理想のヒモ生活 2位 魔法科高校の劣等生~初年度の部~ (※小説削除済み) 3位 オレが異世界で獣とランペイジ 4位 リアデイルの大地にて 5位 ウォルテニア戦記【改訂版】 6位 - Arcana Online - 7位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 8位 竜殺しの過ごす日々 9位 へっぽこ鬼日記 10位 攻撃魔術の使えない魔術師 【2月】 1位 理想のヒモ生活 2位 - Arcana Online - 3位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 4位 リアデイルの大地にて 5位 ウォルテニア戦記【改訂版】 6位 オレが異世界で獣とランペイジ 7位 竜殺しの過ごす日々 8位 へっぽこ鬼日記 9位 New World 10位 義妹が勇者になりました。 【3月】 1位 理想のヒモ生活 2位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 3位 - Arcana Online - 4位 リアデイルの大地にて 5位 ウォルテニア戦記【改訂版】 6位 オレが異世界で獣とランペイジ 7位 竜殺しの過ごす日々 8位 New World 9位 へっぽこ鬼日記 10位 ログ・ホライズン 【4月】 1位 理想のヒモ生活 2位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 3位 - Arcana Online - 4位 ウォルテニア戦記【改訂版】 5位 リアデイルの大地にて 6位 オレが異世界で獣とランペイジ 7位 竜殺しの過ごす日々 8位 New World 9位 Knight's Magic 10位 ログ・ホライズン 【5月】 1位 理想のヒモ生活 2位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 3位 - Arcana Online - 4位 ウォルテニア戦記【改訂版】 5位 リアデイルの大地にて 6位 オレが異世界で獣とランペイジ 7位 竜殺しの過ごす日々 8位 Knight's Magic 9位 フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 10位 New World 【6月】 1位 理想のヒモ生活 2位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 3位 - Arcana Online - 4位 ウォルテニア戦記【改訂版】 5位 リアデイルの大地にて 6位 オレが異世界で獣とランペイジ 7位 Knight's Magic 8位 竜殺しの過ごす日々 9位 フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 10位 New World 【7月】 1位 理想のヒモ生活 2位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 3位 - Arcana Online - 4位 ウォルテニア戦記【改訂版】 5位 リアデイルの大地にて 6位 オレが異世界で獣とランペイジ 7位 Knight's Magic 8位 竜殺しの過ごす日々 9位 フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 10位 New World 【8月】 1位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 2位 理想のヒモ生活 3位 - Arcana Online - 4位 ウォルテニア戦記【改訂版】 5位 リアデイルの大地にて 6位 Knight's Magic 7位 フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 8位 この世界がゲームだと俺だけが知っている 9位 オレが異世界で獣とランペイジ 10位 The prince of ice ~氷の王子~ 【9月】 1位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 2位 理想のヒモ生活 3位 - Arcana Online - 4位 ウォルテニア戦記【改訂版】 5位 リアデイルの大地にて 6位 Knight's Magic 7位 フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 8位 この世界がゲームだと俺だけが知っている 9位 オレが異世界で獣とランペイジ 10位 The prince of ice ~氷の王子~ 【10月】 1位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 2位 理想のヒモ生活 3位 - Arcana Online - 4位 リアデイルの大地にて 5位 ウォルテニア戦記【改訂版】 6位 Knight's Magic 7位 フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 8位 この世界がゲームだと俺だけが知っている 9位 Only Sense Online 10位 竜殺しの過ごす日々 【12月】 1位 異世界迷宮で奴隷ハーレムを 2位 理想のヒモ生活 3位 リアデイルの大地にて 4位 - Arcana Online - 5位 ウォルテニア戦記【改訂版】 6位 この世界がゲームだと俺だけが知っている 7位 Knight's Magic 8位 フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~ 9位 ネクストライフ 10位 Only Sense Online